2017年12月31日日曜日

「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」補足情報トップ

はじめに

本ページは、金丸隆志著「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」(講談社ブルーバックス)の補足情報をまとめるためのページです。

まず、書籍のサンプルファイル、回路配線図(PDF)、応用演習(PDF)が必要な方は、下記の公式サポートページからダウンロードしてください。

以下では、Raspberry PiのOSの更新に伴う内容の変更や、正誤情報などを記していきます。

補足情報一覧


前著の記事へのリンク

入門編である前著「Raspberry Piで学ぶ電子工作」のサポートページ中で、本書の読者の方にも役立ちそうな記事へのリンクを貼ります。

感想など




2017年12月30日土曜日

本書発売後の追加情報

はじめに

カラー版回路配線図について

前著の改訂版「カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作」の発売に合わせ、本書「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」でも、カラー版の回路配線図をダウンロードできるようにしました。

本書公式サポートページからダウンロードできます。これまで通り、モノクロ版もダウンロードできますので、お好みの方を用いてください。


回路配線図について

サポートサイトでダウンロードできる回路配線図をWindowsやOS X上のAdobe Readerで閲覧する際、「編集」→「環境設定」を選択し、下図のように「細い線を拡張」のチェックを外すと、より綺麗な配線図を見ることができます。


チェックを外す前後の配線図の状態を示したのが下図です。「細い線を拡張」のチェックを外した方が図がきれいに表示されているのがわかるでしょう。

なお、この設定はPDFを印刷する際には影響しないはずです。

第1章

p.15:Raspberry Pi 3について

2016年2月29日、Raspberry Pi 3 Model Bが発表され、大きな話題となりました。目立つ変更点としては
  • プロセッサの性能向上(900MHz 32-bit4コアから1.2GHz 64-bit4コアへ)
  • Wifi / Bluetooth4.1 の標準サポート
が挙げられます。Wifi / Bluetooth4.1 用の無線チップが搭載されており、デフォルトで無線接続ができるのが特長です。

Raspberry Pi 3にて本書の内容の動作確認が取れましたので、Raspberry Pi 3も動作対象機種に含めます。

p.16:microSDカードのサイズについて

書籍では「8GB以上のmicroSDカード」と記しましたが、OSであるRaspbianのバージョンが上がるに従い、必要なmicroSDカードの容量も増えています。8GBでも動作はしますが、可能な限り大きな容量のmicroSDカードを用いることを推奨します。入手しやすい容量としては16GBのものがあります。

p.21:NOOBSのバージョンについて

書籍販売より、以下のようにNOOBSの更新が行われています。

日付バージョンカーネルバージョンOSバージョン
2016/2/3NOOBS 1.6.04.1.17 / 4.1.17-v7+Jessie
2016/2/9NOOBS 1.7.04.1.17 / 4.1.17-v7+
2016/2/26NOOBS 1.8.04.1.18 / 4.1.18-v7+
2016/3/18NOOBS 1.9.04.1.19 / 4.1.19-v7+
2016/5/10NOOBS 1.9.14.4.9 / 4.4.9-v7+
2016/5/27NOOBS 1.9.24.4.11 / 4.4.11-v7+
2016/9/23NOOBS 1.9.34.4.21 / 4.4.21-v7+
2016/10/5NOOBS 2.0.04.4.21 / 4.4.21-v7+
2016/11/29NOOBS 2.1.04.4.34 / 4.4.34-v7+
2017/2/27NOOBS 2.2.04.4.48 / 4.4.48-v7+
2017/3/3NOOBS 2.3.04.4.50 / 4.4.50-v7+
2017/4/10NOOBS 2.4.04.4.50 / 4.4.50-v7+
2017/6/23NOOBS 2.4.14.9.28 / 4.9.28-v7+
2017/7/5NOOBS 2.4.24.9.35 / 4.9.35-v7+
2017/8/17NOOBS 2.4.34.9.41 / 4.9.41-v7+Stretch
2017/9/8NOOBS 2.4.44.9.41 / 4.9.41-v7+

OSのベースのバージョンは長らくJessieでしたが、2017年8月にリリースされたNOOBS 2.4.3 より、Stretchというバージョンに変更されました。 Stretchはリリースされてまだ日が浅いためバグも多く含まれると思いますが、可能な限りここに情報を追加していきます。

なお、「sudo apt-get upgrade」により全パッケージを更新したり、「sudo rpi-update」によりfirmwareを更新したRaspbianはサポートの対象外とします。その理由は下記の通りですのでご了承ください。
  • パッケージやfirmwareは日々変化しており、タイミングによってはバグを含んだパッケージがインストールされることもあること(実際、その問題によりトラブルの原因発見に時間がかかったことがあります)
  • 同じ理由で、読者の方の環境と筆者の環境を一致させることが難しいこと

p.21:kernel 4.9について

2017年6月23日リリースされたNOOBS 2.4.1以降では、kernelのバージョンが4.4系列から4.9系列に更新されているため、これまでと異なるインストール法によるインストールが必要なソフトウェアが出てきました。 具体的には
  • 6~8章でサーボモーター制御用に用いたWiringPi2-Python
  • 5章、6章、8章でブラウザによる回路操作を実現するために用いたWebIOPi
です。「p.193:WiringPi2-Pythonのインストールコマンド」と「p.329:WebIOPiのインストールについて」には最新の環境でも動作するインストール法が記載されていますので、そちらを参照してください。

p.26:NOOBS でのOSの選択について

2017年4月にリリースられたNOOBS 2.4.0以降では、インストール時のOSの選択肢として下図のように「LibreELEC_RPi2」と「Raspbian with PIXEL」の2種類が現れるようになりました。下図のように「Raspbian with PIXEL」にチェックを入れて作業を進めてください。なお、RaspbianとLibreELECの表示の順番はNOOBSのバージョンにより異なることがありますのでご注意ください。



p.27:NOOBS 1.9.3以降のデスクトップについて

NOOBS 1.9.3以降に含まれるRaspbianでは、下記のように、デスクトップやアイコンのデザインが一新されました。また、ブラウザがGoogle ChromeのベースとなったChromiumブラウザに変更されています。しかし、デザイン以外の変更はあまり大きくありませんので、書籍の指示のまま変更の必要がない部分がほとんどです。

もし最新のNOOBSを用いて違和感を感じる部分があったら、下記に補足や注意点がないか、チェックしてみてください。


p.50:NOOBS 2.4.3におけるキーボードの設定について

NOOBS 2.4.3に含まれる設定アプリケーションでは、「Set Keyboard」ボタンを押してもキーボード設定画面が現れないバグがあるように思われます。ターミナルソフトウェアLXTerminalを起動し、下記のようにlxkeymapというアプリケーションを起動すればキーボード設定画面が現れますので、そこで設定を行ってください(先頭の「$」の入力は不要です)。
$ lxkeymap
なお、NOOBS 2.4.4以降ではこの問題は解決されています。

p.31:NOOBS 1.5.0以降におけるキーボードの設定について

NOOBS 1.4.2およびNOOBS 1.5.0に含まれるRaspbianでは、新設定アプリケーションのバグがあるため、書籍では「設定ファイル/etc/default/keyboardの編集」により日本語キーボードの設定を行いました。さらに、NOOBS 1.5.0ではその方法では設定が反映されない「相性の悪いキーボード」が存在しました。

この問題に対する対処法が分かりましたのでここで記します。GUIによる新設定アプリケーションを用いるのですが、NOOBS 1.4.2では新設定アプリケーションでキーボードの設定を行えませんので、それより新しいNOOBSを用いましょう。

書籍p.30のキーボードレイアウトの設定を、新設定アプリケーションにより、下記の手順で行います。
  • 「Menu」→「Preferences(設定)」→「Raspberry Pi Configuration(Raspberry Piの設定)」から設定アプリケーションを起動する
  • キーボードの設定を「Localisation(ローカライゼーション)タブ」→「Set Keyboard(キーボードの設定)ボタン」→「Country:Japan」→「Variant:Japanese(OADG 109A)」とセットする(NOOBS 1.5.0~1.9.0(Jessie)では一度セットすると、二度目はセットできなくなりますが、この問題への対応法は次の項目で述べます)
  • 「OK」を押し、新設定アプリケーションを終了する
この設定は即座に反映されますので、そのまま1.5.6のネットワークの接続に進みましょう。

なお、以前この項目で、英語キーボードと認識される場合の対処療法として下記の2命令を /etc/rc.local に記述する、という方法を記していましたが、新設定アプリケーションを用いる限り、この2命令は不要になりますので、削除をお願いします。「sudo leafpad /etc/rc.local」コマンドで編集するのでした。
# 以前、/etc/rc.localに下記の2命令を記述した方はこの2命令の削除をお願いします
sleep 10
udevadm trigger --subsystem-match=input --action=change

p.31:NOOBS 1.5.0~1.9.0(Jessie)のRaspbianでキーボードの設定が一度しか行えない問題

新しい設定アプリケーションを行うと、キーボードの設定を行うと、NOOBS 1.5.0~1.9.0(Jessie)のRaspbianでは二度目のキーボードの設定が行えなくなります。もう一度キーボードの設定を行いたい場合の対応方法を記します。

原因は、設定アプリケーションが内部で呼び出すPythonプログラム lxkeymap のバグです。以下のように修正しましょう。 まず、LXTerminalを起動し、下記のコマンドを実行します。ファイル /usr/bin/lxkeymap を管理者権限のテキストエディタで開いています。
sudo leafpad /usr/bin/lxkeymap
ファイルを壊してしまわないよう、慎重に操作しましょう。ファイル内を「match」という語で検索すると、下記の部分が見つかります。
    def return_path(self,model,path,iter,matched_text):
        if model.get_value(iter, 1).lower() == matched_text:
これを下記のように編集して保存し、leafpadを閉じましょう。if文の行に含まれるmatched_textのみに「.lower()」を付加しています。
    def return_path(self,model,path,iter,matched_text):
        if model.get_value(iter, 1).lower() == matched_text.lower():
以上で、二度目のキーボードの設定が行えないバグは修正されましたので試してみてください。なお、このバグはNOOBS 1.9.1以降のRaspbianでは修正されています。

なお、補足ですがこれまでのRaspbian (Wheezy)では、キーボードの設定ファイルは/etc/default/keyboardだったのですが、Jessieでは /home/pi/.config/lxkeymap.cfg を用いる方針のようです。細かく言えば、Raspberry Pi起動時は /home/pi/.config/lxkeymap.cfg が参照されるのに対し、起動後にキーボードを抜き差しすると /etc/default/keyboard が参照されます。

p.32:日本語フォントのインストールについて

NOOBS 1.4.2~NOOBS 1.9.2およびNOOBS 2.4.3では、書籍に記したように日本語フォントを自分でインストールする必要があります。

ただし、NOOBS 1.9.3~NOOBS 2.4.2およびNOOBS 2.4.4~には、デフォルトで日本語フォントが含まれていますので「1.5.7 日本語フォントのインストール」の節を飛ばして1.5.8に進んで構いません。もちろん、書籍の通り日本語フォントをインストールしても問題ありません。

2章

p.53:NOOBS 1.9.3におけるIDLEのデフォルトフォントについて

NOOBS 1.9.3に含まれるRaspbianでIDLEを起動し、プログラムを記述すると下図(左)のようになります。

このバージョンでは、デフォルトのフォントとしてプロポーショナルフォント(文字により太さが異なるフォント)が用いられてしまっています。そのため、下図(左)中の注釈に示したように、本来4個または8個ある空白文字(スペース)の個数が非常に少なく見えてしまっています(本書p.53の図2-11(B)と比べてください)。

Pythonでは空白文字の個数による字下げの区別は重要ですので、空白文字の個数が一目でわかるフォントを用いるべきです。

そのために、IDLEのメニューにある「Options」→「Configure IDLE」を選択し、「DejaVu Sans Mono」や「Droid Sans Mono」のように、名前に「Mono」が含まれるフォントを選んでください。下図(右)のように等幅フォントが選択され、空白の個数がよくわかるようになります。


第3章

p.81およびp.85:タクトスイッチを用いるプログラムの管理者権限について

タクトスイッチを用いる bb2-03-03-dice-switch.py および bb2-03-04-dice-switch-delay.py はどのバージョンのNOOBSでも管理者権限が必要と述べましたが、 本書発売後にリリースされたNOOBS 1.6.0以降では、これらのプログラムでも管理者権限が不要になりました。興味のある方は試してみてください。

第4章

4章全般:音声合成機能の追加について

4章で作成した「天気予報機能付き温度計」に、音声合成機能を追加するための解説を下記に記しました。ご活用ください。

p.108:I2Cデバイスの認識について

ここで用いる温度センサとLCDの組み合わせは前著でも用いたのですが、LCDを用いたプログラムの動作に失敗するという方が多いようです。LCDを用いたプログラムを実行するためには、Raspberry PiからLCDが認識されていることが必要です。LCDが認識されているかどうかのチェック方法は、書籍に記さなかったのですが、ここで紹介します。

まず、温度センサとLCDを接続した回路(p.108の図4-9)を作成した状態でLXTerminalを起動し、下記のコマンドを実行しましょう。
sudo i2cdetect -y 1
このコマンドは、Raspberry Piに接続されたI2Cデバイスのアドレスを出力するものです。NOOBS 1.4.2以降(Jessie)のRaspbianでは管理者権限を表す「sudo」は不要ですが、上記のようにsudoをつけても問題なく動作します。

正常な出力結果は下図のようになります。48が温度センサのアドレス0x48を表し、3eがLCDのアドレス0x3eを表します。48が表示されなければ温度センサを用いるプログラムは正常動作しませんし、3eが表示されなければLCDを用いるプログラムは動作しませんので、まずは下図の出力が得られることを目指しましょう。

そのためには、温度センサ、LCDの製作過程や回路などを見直すのが基本的な方針ですが、次項で述べたように、「新しいロットのLCDはRaspberry Piから認識されない」という問題に該当しているかもしれません。そのため、次項も引き続きお読みください。


p.108:完成品のLCDを購入しても認識されない場合の暫定的な対処法

<LCD対処法:予備知識>

読者の方により、2015年12月頃以降に完成品のLCD(AQM0802)を購入した場合、Raspberry Piから認識されない(上記のi2cdetectコマンドを実行しても3eが表示されない)ことがあることを教えて頂きました。

私も新たに完成品のLCD(AQM0802)を購入してみましたが、確かに同じ状況になりました。販売店に問い合わせたところ、「LCDの新しいロットでは電流の引き込み能力が低くRaspberry Piで動作(認識)しない」との回答でした。

このままでは4章の演習を実行できなくなってしまいます。そこで、そのように問題のあるLCDを動作させる方法をここで紹介します。まず、対処法を理解するための予備知識から解説します。

LCDモジュールの基板の裏には、下図(A)または(B)のように、PUと書かれた部分にジャンパとよばれる電極が2セットあります。LCDモジュールを自分ではんだづけした方は下図(A)の状態、完成品を購入した方は下図(B)の状態の方が多いでしょう。下図(A)の状態では、一つの正方形内の凹凸状の電極は絶縁されています。ここにはんだを盛り下図(B)のようにすると電極が接続され、LCDモジュールの基板上のプルアップ抵抗が有効になります。そのため、これらの状態をそれぞれ
「PUなし」、「PUあり」と呼ぶことにします(PUはpull-upの略です)。


一般に、プルアップ抵抗はI2C接続時に必要になるものですが、Raspberry Pi内部に既にこのプルアップ抵抗が存在するので、LCDモジュールの基板上では必ずしもこのプルアップ抵抗の有効化は必要ありませんでした。そのため、4章において正常動作するLCDでは「PUなし」、「PUあり」のどちらでもLCDは動作しました(ただし、8章ではサーボドライバ上のプルアップ抵抗の影響で、LCDでは「PUなし」としなければ動作しないことがあります)。

既に述べたように、「PUなし」から「PUあり」の状態にするには、凸と凹の電極にまたがるようにはんだを盛ります。逆に、「PUあり」から「PUなし」の状態に戻すには、上図(C)のように、はんだ吸い取り線(例えばこちら)を用いてPU部からはんだを除去するのが簡単です。

以上の予備知識のもと、どなたにでも容易に実現可能な暫定的対処法と、上級者向けの正式な対処法との2つを紹介します。

<LCD対処法:暫定版>

まずは、どなたにでも容易に実現可能な暫定的対処法を紹介しましょう。

Raspberry Piから認識されない完成品LCD(AQM0802)に対して、回路に下図のようにSDA部からGNDの間に抵抗を追加すると、動作を確認することができました。


抵抗の大きさRとしては、下記の範囲のものが有効でした。
  • PUありの場合のR:2kΩ
  • PUなしの場合のR:2kΩ~4.7kΩ程度
  • ただし、8章でサーボドライバとともに用いる場合「PUなし、R=2kΩ」のみ。サーボドライバにプルアップ抵抗が含まれており、実質「PUあり」と同じ状態になるためです。
後に述べるように、私はPUなし(PU部のはんだをはんだ吸い取り線で除去した状態)で4.7kΩの抵抗を用いることを推奨します。4.7kΩでI2C通信のエラーの頻度が高い場合は3.9kΩが良いかもしれません。抵抗は例えば、2kΩ3.9kΩ4.7kΩなどが購入できます。

なお、この方法を用いると、3.3VピンからGNDまで1.8kΩ+RkΩの抵抗で接続されることになるので、約0.5mAから1.0mA程度の電流が流れ続けます(1.8kΩの抵抗は、Raspberry Pi本体内部にあるI2C用のプルアップ抵抗です)。この程度の大きさの電流がRaspberry Piに問題を起こすことはないと思われますが、本来不要な電流が流れる手法であることは注意しておいてください。なお、比較のために記すと、2章でLEDを点灯したときに流れる電流は約5mAです。

以上で、暫定的対処法の解説は終わりますが、以下、動作しない完成品LCDで何が起こっているか、そしてこの方法により何が起こるのかを簡単に記しておきます。

まず、「動作しない完成品LCD」の何が問題かを記したのが下図です。I2C通信時にLCDから
Raspberry Piに対してACK信号と呼ばれるLOW信号を出力する場面があります。正常動作するLCDでは、このACK信号は約0.8Vとなっています。これはこのLCDの仕様の範囲内の動作です。しかし、「動作しない完成品LCD」ではこれが約1.2Vとなってしまっています。これをRaspberry PiがLOWと認識できないため、処理がそこで止まっているようです。


これに対し、暫定的な対応法ではこのACK信号を下図のように約1.0Vまで引き下げています。ただし、下図に示されている通り、3.3VであるべきHIGH信号まで下げてしまいますので、下げすぎると、Rapberry PiからHIGH信号も認識できなくなってしまいます。図を見るとわかる通り、「PUあり、R=2kΩ」ではHIGHが2Vまで下がっており、HIGHと認識されなくなる直前だろうと思います。これが「PUなし、R=4.7kΩ」を推奨する理由です。


ただし、いずれにせよこれはあくまで暫定的な対処法です。正常なI2C通信では必要のない対処法ですのでご注意ください。

<LCD対処法:正式版(ただし上級者向け)>

最後に、LCD(AQM0802)を用いるための正式な方法を紹介します。ただし、これは「表面実装用」と呼ばれるタイプのチップをはんだづけする必要があり、かなりの上級者向けとなりますので、自信のある方のみお試しください。

この方法には、I2CバスリピーターPCA9515ADと呼ばれるチップが必要となります。これをブレッドボードで用いるためには、下記の3点が必要となり、下図のようにはんだづけする必要があります。

なお、上図の「EN」はENABLEの略で、利用時はHIGH(3.3V)に接続します。

PCA9515ADはリンク先の写真で分かる通り、表面実装用と呼ばれるタイプの部品であり、これを基板上にはんだづけするには、やや高度な技術が必要です。そのため、この方法は上級者向けと言えるでしょう。

表面実装用の部品のはんだづけする方法は、例えば下記のYouTube動画が参考になるでしょう。
さらに、この動画にあるように、ピンセットやフラックスもあると良いでしょう。例えば下記のようなものです。
このPCA9515を利用するための概念図が下図です。


この小型液晶AQM0802の新しいロットを使う上で問題になるのが、Raspberry Pi上にあるプルアップ抵抗1.8kΩが小さすぎることです。新しいロットのAQM0802を使う上では10kΩが推奨されています。しかし、Raspberry Piのプルアップ抵抗は基板上に固定されており、そのため、プルアップ抵抗を小さくすることは容易なものの(接続するプルアップ抵抗の数を増やせばよい)、大きくすることは簡単ではありません。

そこで、上図のようにPCA9515を用いてRaspberry Piおよび温度センサ側と小型液晶側を切り離し、左側をプルアップ抵抗1.8kΩで、右側をプルアップ抵抗10kΩで利用できるようにするというわけです。

そのためには、ブレッドボード上で下図のような回路を組みます。図を簡単にするために、小型液晶側のプルアップ抵抗は、小型液晶モジュールのプルアップ抵抗PUを用いることにしました。上の解説「<LCD対処法:予備知識>」を参考に、2箇所のPUに半田を盛り、基板上のプルアップ抵抗を有効にしてください。


4章全般:利用できるLCDについて1~秋月電子編

本書で紹介したLCDの新しいロットでは、上で記したように何らかの対処をしないとRaspberry Piでは利用できなくなってしまいました。抵抗1本の追加で暫定的に利用可能になるのは不幸中の幸いではありました。

2017年4月に、秋月電子通商さんより上記のLCDを正式にRaspberry Piで利用可能にしたモジュールキットが販売開始され、さらに2017年6月にはその完成版が販売開始されましたのでここで紹介します。なお、組み立てキットの方は狭いピッチ(ピン間隔)の半田付けが必要になりますので、半田付けにある程度慣れている方向けとなります。商品へのリンクは下記になります。
組み立てキットに含まれるパーツを図示したのが下図(左)となっています。ピンソケットが2種含まれていますので、お好みの方を半田付けします。 完成品にはLCDを立てて使うためのピンソケットがあらかじめ取り付けられているようです。

なお、本書のようにブレッドボードで利用するためには、組み立てキットに下図(中)のようにピンヘッダを別途購入して半田付けすることをお勧めします。ピンヘッダとは、例えば下記のようなものです。丁度のサイズのものを購入するよりは、長いものを購入してニッパでカットするのが一般的です。

ピン配置は本書のものとは異なり、上図(右)のようになっています。

利用例は下図のようになっています。下図(左)がピンソケットを用いた場合で、Raspberry PiのGPIO(3.3V/SDA/SCL/GPIO4/GNDと続くピン)に直接させるようになっています。完成品ではLCDを立てて使うようなピンソケットとなっています。ただし、これではGPIOのピンの一部が利用できなくなってしまいますので、「オス-メス ジャンパワイヤ」を介してGPIOに接続するのがお勧めです。

ピンヘッダを用いて作成したLCDならば本書のようにブレッドボートで利用可能です。その様子を示したのが下図(右)です。なお、基板の「LED」ピンを3.3Vに接続すると、図のようにLCDのバックライトが点灯した状態になります。お好みで利用してください。ピンソケットでGPIOに直接差したLCDならば、GPIO 4をHIGHにすることでバックライトが点灯します。なお、バックライトを利用するには、LCDを基板に半田付けする際に2か所の四角いピンも半田付けする必要がありますのでご注意ください。


4章全般:利用できるLCDについて2~ストロベリーリナックス編

本書では秋月電子通商で入手可能な8文字x2行のLCDを用いました。

他に用いることのできるLCDとしては、例えばストロベリーリナックスで取り扱われている以下のものがあります。どちらも16文字x2行ですので、本書で取り扱ったものの倍の文字数を表示できます。
下図は、
  • sudo python bb2-04-03-lcd-practice.py 'Hello, Raspberry Pi!'
を実行した様子です。NOOBS 1.4.2以降(Jessie)のRaspbianでは管理者権限を表す「sudo」は不要ですが、上のようにsudoをつけても問題なく動作します。

ただし、この2つのLCDでは、本書p.115図4-11の文字コード表の一番左の列(0x06~0x0f)の文字は表示されないようです。ご了承ください。

これらのLCDが本書のLCDと共通でのプログラムで利用可能な理由は、コントローラーICとしてST7032iと呼ばれるものが共通で用いられているためです。そのため、書籍で紹介したLCDにあったロットによる問題が将来起こらないとは限りません。その場合はやはり上記の暫定的対処法を試すことになるでしょう。


なお、回路の接続は本書のものとは少し異なります。上図のどちらの液晶を用いる場合も下図を参考にしてください。


プログラムは、一行だけ変更が必要です。LCDを用いるプログラムには下記のようにLCDの文字数を設定している行があります。これらは8x2の液晶であることを示しています。
chars_per_line = 8
display_lines = 2
これを下記のように変更して保存すれば完了です。
chars_per_line = 16
display_lines = 2
この変更をしなければ、単に8x2の液晶として動作します。

また、「I2C低電圧キャラクタ液晶モジュール(16x2行)」(小さいほう)を用いるとデフォルトでは文字がやや薄くなります。文字の濃さを調整できるようにしたプログラムは下記になりますので、必要に応じてダウンロードして利用してください。
また、これらのプログラムをターミナルでダウンロードしたい場合は下記の3つのコマンドを順に実行してください。
$ wget https://raw.githubusercontent.com/neuralassembly/raspi/master/bb2-04-03-lcd-practice-mod.py
$ wget https://raw.githubusercontent.com/neuralassembly/raspi/master/bb2-04-04-lcd-4modes-mod.py
$ wget https://raw.githubusercontent.com/neuralassembly/raspi/master/bb2-04-05-lcd-3modes-mod.py
ダウンロード後、それぞれのファイルで下記の行を見つけ、contrastの値を40に変更し保存してください。必要に応じて、上で記した「chars_per_line」を16にする変更も行なってください。
contrast = 32 # 0から63のコントラスト。通常は32、文字が薄いときは40を推奨

p.119:タクトスイッチを用いるプログラムの管理者権限について

タクトスイッチを用いる bb2-04-04-lcd-4modes.py および bb2-04-05-lcd-3modes.py はどのバージョンのNOOBSでも管理者権限が必要と述べましたが、 本書発売後にリリースされたNOOBS 1.6.0以降では、これらのプログラムでも管理者権限が不要になりました。興味のある方は試してみてください。

第5章

5章全般:音声認識によるリモコン操作

本章では、リモコン操作を行う方法として、「irsendコマンド」、「タクトスイッチ」、「ブラウザ」の3種類を用いました。さらに、「音声認識」によりリモコン操作を行う方法を応用演習として追加しましたのでご活用ください。

p.134:エアコンのリモコンの利用について

本書ではエアコンのリモコンからの信号をRaspberry Piで利用する方法については解説しませんでした。しかし、その方法はありますので、下記のページに解説を追加しました。
本書でテレビのリモコンからの信号を利用できるようになった後、興味のある方は取り組んでみてください。

p.141:NOOBS 2.4.3以降に含まれるRaspbian (Stretch) でのLIRCの設定

OSのベースのバージョンがStretchになったRaspbianではLIRCのバージョンが上がり、 その設定方法が書籍から若干変更されています。ここでは、その変更点をまとめていきます。

まず、下記の設定には変更がありませんので書籍の通り実行してください。
  • LIRCのインストール (p.141)
  • /etc/moduleへの lirc_dev の追加 (p.142)
  • /boot/config.txtへのdtoverlayの追加 (p.142~p.143)
次に、/etc/lirc/hardware.confの編集ですが、このファイルは存在しませんので、 以下の設定に差し替えます。 まず、下記のコマンドをターミナルで実行し、設定ファイル /etc/lirc/lirc_options.conf を管理者権限のleafpadで開きます。 なお、先頭の「$」はコマンドの入力開始位置を表しているだけですので、コマンド入力時は省いてください。以下同様です。
$ sudo leafpad  /etc/lirc/lirc_options.conf 
開いたファイルの中に、下記の2行があるのを見つけてください。
driver          = devinput
device          = auto
これを、以下のように編集し、編集が終わったら保存してleafpadを終了してください。
driver          = default
device          = /dev/lirc0
さらに、設定ファイル中に不要なファイルがあるので、ターミナルで下記のコマンドを実行し、 名前を変更します。
$ cd /etc/lirc/lircd.conf.d/
$ sudo mv devinput.lircd.conf devinput.lircd.conf.dist
以上で設定は終わりですので、Raspberry Piを再起動します。

次に、irrecordの実行です。NOOBS 2.4.3以降では、この時点でLIRCが起動しています。さらに、LIRCが起動した状態でirrecordを実行するとエラーがでます。そのため、irrecordを実行するときは、ターミナルで下記のコマンドを実行し、LIRCを停止します。
$ sudo service lircd stop
そして、引き続きターミナルでirrecordを実行するのですが、その際のコマンド (p.145) は、下記のように末尾の「TV」をつけずに実行してください。
$ irrecord -n -d /dev/lirc0
その後、p.147からのリモコンの学習に移るのですが、開始時の手順が若干変更されています。
まず、下記のメッセージが出るので一回Enterキーを押します。
(略)
Please take the time to finish the file as described in
https://sourceforge.net/p/lirc-remotes/wiki/Checklist/ an send it
to  <lirc@bartelmus.de> so it can be made available to others.

Press RETURN to continue.
すると、下記のように光の状態のチェックに入りますので、終わるまで数秒待ちます。
Checking for ambient light  creating too much disturbances.
Please don't press any buttons, just wait a few seconds...
チェックが終わったら、下記のメッセージが現れますので、ここで「TV」を入力し、Enterキーを押してください。
Enter name of remote (only ascii, no spaces) :
つまり、こうですね。
Enter name of remote (only ascii, no spaces) :TV
すると、下記のようにもう一度Enterキーを押すことを促されます。これが、p.147末尾の「2度目の[Enter]キー」に該当しますので、Enterキーを押し、その後p.148の指示に従って様々なボタンを繰り返し押して行ってください。
It is very important that you press many different buttons randomly
and hold them down for approximately one second. Each button should
generate at least one dot but never more than ten dots of output.
Don't stop pressing buttons until two lines of dots (2x80) have
been generated.

Press RETURN now to start recording.
p.154までは書籍の指示通りで構いません。

irrecordの終了後、書籍では「TV」というファイルに設定が保存されましたが、NOOBS 2.4.3以降では、TV.lircd.confという名前のファイルが生成されます。

次に、ターミナルで下記のファイルを実行し、ファイルを移動します。ファイルの移動先も変更を受けています。
$ sudo mv TV.lircd.conf /etc/lirc/lircd.conf.d/
そしてRaspberry Piを再起動するとLIRCが再び起動し、irsendコマンドが実行されるようになります。それ以降は書籍と同じです。

p.165:タクトスイッチを用いるプログラムの管理者権限について

タクトスイッチを用いる bb2-05-01-TV.py はどのバージョンのNOOBSでも管理者権限が必要と述べましたが、 本書発売後にリリースされたNOOBS 1.6.0以降では、このプログラムでも管理者権限が不要になりました。興味のある方は試してみてください。

第6章

p.184:12ビットADコンバータMCP3208

6章ではADコンバータとして秋月電子通商で取り扱われている
を用いますが、この在庫が切れている場合、下記のMCP3204を用いても構いません
ただし、MCP3204はMCP3208に比べて2ピン少ないので、少しだけ回路の読み替えが必要です。図6-14、図6-15を例に、変更箇所を赤で示しますので参考にして下さい。
MCP3204を用いる場合の図6-14の変更点

MCP3204を用いる場合の図6-15の変更点

p.184:カメラモジュールv2について

2016年4月、Raspberry Piのカメラモジュールのバージョン2が発売になりました。こちらでも6章のプログラムは動作するのですが、NOOBS1.9.0までのRaspbianでは映像の向きが上下逆転してしまいますのでご注意ください。NOOBS 1.9.1に含まれるRaspbianでは正常動作します。

p.193:WiringPi2-Pythonのインストールコマンド

2017年6月23日リリースされたNOOBS 2.4.1以降では、Raspbianのkernelが4.9系列となり、書籍に記したコマンドではWiringPi2-Pythonが動作しなくなります。 そこで、p.193の7コマンドを下記に読み替えてください。(4)のダウンロードサイトが変更を受けています。
(1) $ sudo apt-get update
(2) $ sudo apt-get install python-dev python-setuptools
(3) $ sudo apt-get install python3-dev python3-setuptools
(4) $ git clone https://github.com/neuralassembly/WiringPi2-Python.git
(5) $ cd WiringPi2-Python
(6) $ sudo python setup.py install
(7) $ sudo python3 setup.py install
なお、一度インストールしたWiringPi2-Pythonを上書きインストールしたい場合、上記コマンドの実行前に、ホームディレクトリで下記のコマンドを実行して古いファイルを事前に実行しておきましょう。
$ sudo rm -rf WiringPi2-Python


p.199~201:タミヤの工作キットで作ったカメラ台のカラー画像

タミヤの工作キットで作るカメラ台の作成方法を示す図ですが、書籍では画像がやや小さく見にくいかもしれません。下記に、カラーで解像度の高い画像を貼り付けますので、ご活用ください。

画像をクリックすると画像が大きくなります。必要に応じて、大きくした画像上で右クリックして「名前を付けて保存」を選択して保存すると良いでしょう。

図6-7

図6-8

図6-9

p.205:カメラマウントA838を用いた場合のカメラ台のカラー画像

同様に、図6-12、図6-13のカラー画像も載せます。

図6-12

図6-13


p.209:半固定抵抗の回転の向きについて

本書は、Arduino Sidekick Basic Kit付属の半固定抵抗を用い、「右に回すとAD変換後の値が大きくなる」回路を組みました。この回転の向きは、下図のように「半固定抵抗の3.3VピンとGNDへの接続を入れ替える」ことで逆にすることができます。

お使いの半固定抵抗により回転の向きが異なることがありますので、配線の入れ替えにより好みの向きを選択してください。


p.222:長いコマンドの入力には注意

p.222からp.223で紹介したmjpg-streamerのインストール用のコマンドは少し長いものが多く、入力を間違うと正しく演習ができなくなってしまいます。

コピーできる形式で以下に再掲しますので、ブラウザで1行ずつコピーして、ターミナルで貼り付けて実行すると確実でしょう。その際、先頭の「(1)」や「$」などはコピーする必要はありませんのでご注意ください。

また、ブラウザでのコピーは「コピーしたい文字をなぞってから『右クリックしてコピー』または『Ctrl+c』」、ターミナルへの貼り付けは「ターミナル上でメニューから『編集→貼り付け』または『Shift+Ctrl+v』」です(ただし、キーボードのCtrlとCapslockを入れ替えている場合、ショートカットキーは効かないようです)。
(1) $ sudo apt-get update
(2) $ sudo apt-get install libjpeg8-dev cmake
(3) $ git clone https://github.com/jacksonliam/mjpg-streamer.git
(4) $ cd mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental
(5) $ make
(6) $ cd
(7) $ sudo mv mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental /opt/mjpg-streamer
なお、前著「Raspberry Piで学ぶ電子工作」をご利用いただいた方は、上記の7つのコマンドの実行前に、下記の2コマンドにより過去にインストールしたmjpg-streamerを一度削除した方が安全かもしれません。ターミナルLXTerminalを起動した直後の状態で順に実行してください。
(1) $ sudo rm -rf /opt/mjpg-streamer
(2) $ rm -rf mjpg-streamer

p.228:WebIOPiの起動に失敗する問題

WebIOPiからp.193でインストールしたWiringPi2-Pythonを呼び出すのですが、2016/2/12以降にダウンロードしたWiringPi2-Pythonを用いた場合、エラーが起きWebIOPiの起動に失敗します。「p.193:WiringPi2-Pythonのインストールコマンド」に記した手順で、エラーの起きないWiringPi2-Pythonをダウンロードしてインストールし直してください。

p.229:本章のプログラムを自動起動したい場合

本章のプログラムを、本書8.4.4で紹介した方法で自動起動し、さらにディスプレイやキーボードをRaspberry PIから外した状態で利用したい方がいらっしゃるかもしれません。

NOOBS 1.9.0までは問題なく動作したのですが、NOOBS 1.9.1以降は、「Raspbianが黒いコンソール画面で起動する状態」にしないと、ディスプレイを外した状態では正常動作しなくなりました。

それを実現したい場合、設定アプリケーションを起動し、「システム(System)」タブの「ブート(Boot)」項目にある「CLI(To CLI)」にチェックを入れ、再起動してください。画面が黒い「コンソール」状態でRaspbianが起動し、本章のプログラムが自動起動で正常動作するようになります。
なお、Raspbianが黒いコンソールで起動する状態から元に戻したい場合、コンソールで「startx」というコマンドを実行してデスクトップを起動してから、設定アプリケーションの「ブート(Boot)」項目で「デスクトップ(To Desktop)」を選択し、再起動してください。

もし、この「CLI起動によるWebIOPiの自動起動」でもサーボモーターが正常動作しない場合、以下を試してください。 まず、以下のコマンドを実行し、WebIOPiの自動起動を無効にします。
sudo systemctrl disable webiopi
次に、以下のコマンドで、/etc/rc.localファイルを管理者権限で編集できる状態にします。
sudo leafpad /etc/rc.local
そして、「exit 0」の上の行に、以下の2行を追記して保存し、再起動してください。
sleep 10
sudo systemctl start webiopi
以上で、/etc/rc.localからWebIOPiが起動され、サーボモーターが正常動作することを期待しています。 なお、「sleep 10」は「10秒待機する」の意味です。 安全のために「10秒」と大きな数値を選びましたが、 私の環境では「sleep 3」(3秒待機)程度でも正常動作しました。 さらに、この方法ではCLI起動ではなくGUI起動のままでもサーボモーターが正常動作しました。

第7章

p.239:NOOBS 1.4.2と1.5.0でOpenCVを用いた際のOpenGLに関するエラーについて

7章では画像処理のライブラリであるOpenCVを用います。NOOBS 1.4.2と1.5.0に含まれるRaspbian(Jessie)でプログラムを実行すると下記のエラーが出てプログラムが実行できませんでした。そのため、書籍ではエラーの出ない代替プログラムを用意し、NOOBS 1.4.2以前と以降とで使い分けました。
Windows system doesn't support OpenGL.
書籍刊行後、NOOBS 1.4.2以降のRaspbianで上記のエラーを抑制する方法が明らかになりましたので以下に記します。

まず、2016年2月にリリースされたNOOBS 1.6.0以降ではこの問題は解決されていますので、そもそも上記のエラーが出ません。この方法が一番簡単ですね。

NOOBS 1.4.2をお使いの方は、ターミナルソフトウェアLXTerminalを起動し、下記の2つのコマンドを順に実行し、必要なライブラリをインストールしてください。
sudo apt-get update
sudo apt-get install libgl1-mesa-dri
インストールが終わったら、Raspberry Piを再起動してください。それにより、代替プログラムではない通常のプログラムで7章の演習が実行できるようになります。

p.239:カメラモジュールv2について

2016年4月、Raspberry Piのカメラモジュールのバージョン2が発売になりました。こちらでも7章のプログラムは動作するのですが、NOOBS1.9.0までのRaspbianでは映像の向きが上下逆転してしまいますのでご注意ください。NOOBS 1.9.1に含まれるRaspbianでは正常動作します。

p.239:画像処理プログラムの画面のちらつきについて

7章で用いるプログラムは全てRaspberry PiのカメラモジュールをOpenCVで利用するものとなっています。このプログラムを使ってカメラ映像を表示すると、映像が時々ちらつく現象が見られることがあるかもしれません。その場合、プログラム中にある
camera.resolution = (320, 240)
という行を見つけ、その次に
camera.resolution = (320, 240)
camera.framerate = 15
という行を追加して保存してください。その際、先頭の空白の個数は上の行数に合わせることに注意してください。 フレームレート(1秒間の映像のコマ数)を15に減らすことでちらつきがなくなるのではないかと思います。

p.241:画像処理に影響を与えずに映像サイズを大きくする方法について

7章のプログラムでは、カメラから320x240のサイズの映像を取得し、何らかの画像処理を施して映像を表示しています。320x240という映像サイズは、画像処理の計算にかかる時間を考慮して決めています。大きくすると、計算に時間がかかり、映像が滑らかに表示されなくなるでしょう。

しかし、320x240という映像サイズは、表示してみると小さいと感じるのも事実です。ここでは、この映像サイズを大きくする方法を紹介します。

まず思いつくのは、カメラからの映像取得のサイズを大きくすることです(例えば640x480)。しかし、これは下記の理由によりお勧めできません。
  • 画像処理の計算に時間がかかるようになる
  • 画像処理の結果が変わる(円検出bb2-07-04-circle.pyの場合、最小半径5、最大半径100などと定めているが、映像サイズを変えると、これらの数字の意味が変わってくるため。顔検出bb2-07-05-face.pyも同様)
  • 追跡アプリケーションbb2-07-06-tracking-circle.pyとbb2-07-07-tracking-face.pyでは、映像サイズが320x240であることを前提としている部分が多い(映像の中心座標が(160,120)である、など)
そこで、「画像処理はサイズ320x240の映像に対して行うが、結果の映像は640x480に引き伸ばして表示する」方法を紹介します。

7章のプログラムの末尾付近には、下記の命令があります。
cv2.imshow('frame', stream.array)
という行があります。これは画像を画面に表示する命令なのですが、この命令を削除して下記の2行に置き換えると、320x240の画像が 640x480に引き伸ばして表示されます。(行頭のスペースの数は元の行と同じに統一してください)
dst = cv2.resize(stream.array, (640, 480))
cv2.imshow('frame', dst) 
映像を引き伸ばして表示しているだけなので、画質は良くありませんが、 デモなどで映像を大きく表示したいときは使えると思います。

p.241:7章のGUIプログラムを自動起動したい場合

7章のプログラムはGUIアプリケーションであり、/etc/rc.localに記述しても自動起動できません。 GUIアプリケーションを自動起動する方法を、「GUIアプリケーションの自動起動」にまとめました。

第8章

p.277:6脚ロボットのカラー画像について

6脚ロボットの作成方法を示す図ですが、書籍では画像がやや小さく見にくいかもしれません。下記に、カラーで解像度の高い画像を貼り付けますので、ご活用ください。

画像をクリックすると画像が大きくなります。必要に応じて、大きくした画像上で右クリックして「名前を付けて保存」を選択して保存すると良いでしょう。

図8-3

図8-12

図8-16

p.296:6脚ロボットの安定性について

ハンチング対策の解説において、サーボモーターSG90に与える電圧(乾電池の本数)によって6脚ロボットの挙動が異なることに触れました。サーボモーターの個体差などにもよりますが、6脚ロボットのモーターに与える電圧が大きく、その結果流れる電流が大きくなるとSG90の挙動が不安定になることがありました。
具体的には「モーターの角度が指定していない角度に動き、そこでロックしてしまう」という現象が起きました。もし、同様の現象に悩まされている方は、以下に記す解消方法を試してみて下さい。なお、書籍の中でサーボドライバの類似品は「Adafruitのものと挙動が異なる場合がある」と記しましたが、類似品の中にはこの「指定していない角度でモーターがロック」という現象が起こりやすいものもあり、そのため、類似品はサポート対象外としました。

対策1:モーターに与える電圧を小さくする
モーターに与える電圧を小さくすると、6脚ロボットが安定する傾向があります。簡単にこれを実現するは、乾電池1本の電圧(約1.5V)とエネループなどのニッケル水素充電池の電圧(約1.2V)が異なることを利用するのが簡単です。以下の様な電圧を簡単に作ることができます。
  • 約4.5V:乾電池3本
  • 約3.6V:エネループなどのニッケル水素充電池3本
もしエネループなどのニッケル水素充電池をお持ちの場合、試してみると良いかもしれません。ただし、乾電池や充電池2本まで電圧を下げると、6脚ロボットは動作しませんので注意してください。なお、乾電池とニッケル水素充電池を混ぜて用いるのはやめましょう。
また、乾電池を用いるにせよ、充電池を用いるにせよ、新品の乾電池あるいは充電直後の充電池は、使っているうちに徐々に電圧が小さくなっていきます(参考:Panasonic | エネループシリーズについて)。そのため、使っているうちに6脚ロボットの安定性が徐々に変化することはあり得ます。

対策2:ロボットの脚の振り幅を小さくする
6脚ロボットを安定させるもう一つの方法は、脚の振り幅を小さくすることです。脚の振り幅が小さいということは、モーターの回転する角度が小さいということなので、モーターに流れる電流が小さくなり、その結果6脚ロボットが安定して動作する傾向があります。ただし、ロボットの動きはややゆっくりになります。下記のファイルを変更することで実現できます。
カメラなし、ハードウェアPWMの場合:/usr/share/webiopi/htdocs/bb2/03/script.py
カメラなし、ソフトウェアPWMの場合:/usr/share/webiopi/htdocs/bb2/04/script.py
カメラあり、ハードウェアPWMの場合:/usr/share/webiopi/htdocs/bb2/05/script.py
これらのファイルの中で、下記の部分を見つけます。
LEG_F_R = NEUTRAL + 100
LEG_F_L = NEUTRAL - 100
LEG_B_R = NEUTRAL - 100
LEG_B_L = NEUTRAL + 100
4つある数字の100が、脚の振り幅(モーターの動く角度)に対応する数値です。これを小さめの値、例えば下記のように60に変更します。
LEG_F_R = NEUTRAL + 60
LEG_F_L = NEUTRAL - 60
LEG_B_R = NEUTRAL - 60
LEG_B_L = NEUTRAL + 60
変更して保存した後はWebIOPiを再起動する必要があります。WebIOPiが自動起動する設定になっている場合、Raspberry Piを再起動してしまうのが簡単でしょう。

p.296:サーボモーターの消耗について

本書ではSG-90というサーボモーターで6脚ロボットを作成しました。一般的に、サーボモーターは長く使っていると作成当初から挙動が変わり、交換が必要になる場合があります。そういう意味で、サーボモーターは消耗品と考えた方がよいかもしれません。

私の場合、6脚ロボットを初めて作成してから書籍が出版されるまでの約8ヶ月の間に、1つのサーボモーターを交換しました。具体的には、機体を持ったまま脚を動かした際、1つの脚だけ他の脚に比べて動きが遅くなったため交換しました。

p.308: LCDへのIPアドレスの表示について(1)

本書では、Raspberry Piにブラウザからアクセスする際にIPアドレスを用いました。そのため、Raspberry Piにルーターなどから割り振られたIPアドレスを知る目的で、LCDを回路に取り付けました。

しかし、本ページ下部の「p.335:IPアドレスでのURLの指定について」で記しますように、avahiという仕組みを用いると、IPアドレスではなく、下記のようなアドレスでのアクセスが可能になるのでした(ただし、p.335の注釈に示すように制限がありますので注意)。
  • http://raspberrypi.local:8000/bb2/03/
これを用いると、回路からLCDが不要になるなどのメリットがあります。具体的には下記の通りです。
  • p.309の図8-13やp.310の図8-14からLCDを取り外して良い
  • p.310での/etc/rc.localへの「python /home/pi/bb2-08-04-lcd.py $_IP &」の記述が不要
さらに、Raspberry PiのIPアドレスを固定する、という方法でも、毎回IPアドレスを調べる必要がなくなりますね。こちらについては前著サポートページ内の「Raspberry PiのIPアドレスを固定する」にまとめましたので、興味のある方は御覧ください

4章の補足で述べたように、LCDにはロットの問題によるトラブルが発生しているので、この方法を用いてLCDなしの回路とする方が良いかもしれませんね。

p.308:LCDへのIPアドレスの表示について(2)

6脚ロボットを制御するRaspberry PiのIPアドレスを知るため、LCDにIPアドレスを表示する方法を紹介しました。このとき、IPアドレスの取得に時間がかかるとIPアドレスではなく「Raspberry Pi」とLCDに表示されてしまいます。その様な場合、/etc/rc.localの適切な位置に「10秒待つ」ことを意味する「sleep 10」という命令を記述して対処する方法を紹介しました。

それでIPアドレスが表示できるようになれば問題ありませんが、OSとしてjessie (NOOBS 1.4.2以降に含まれるRaspbian)を用いている方は別の方法もありますのでそれを紹介します。

jessie以降に含まれる設定アプリケーションでは、下図(左)のように「Network at Boot」という項目があります。この「Wait for network」にチェックを入れて再起動すると、Raspberry Piのネットワークへの接続が完了してから起動が完了するようになります。その結果、「sleep 10」の記述なしでLCDにIPアドレスが表示されるようになる、というわけです。下図(右)のように以前からの設定アプリケーションraspi-configにも「Wait for Network at Boot」という項目が追加されており、「Slow Wait for network connection before completing boot」を選択することで、同様の効果が得られます。

もしこの設定をしてもIPアドレスではなく「Raspberry Pi」とLCDに表示される場合、書籍に書かれているように/etc/rc.localの適切な位置に「sleep 10」と記述する方法を試してみるとよいでしょう。


p.317:カメラモジュールv2について

2016年4月、Raspberry Piのカメラモジュールのバージョン2が発売になりました。こちらでも8章のプログラムは動作するのですが、NOOBS1.9.0までのRaspbianでは映像の向きが上下逆転してしまいますのでご注意ください。NOOBS 1.9.1に含まれるRaspbianでは正常動作します。

付録B

p.329:WebIOPiのインストールについて

現在、WebIOPiのサイトの上部に「Cayenne」というソフトへのリンクがありますが、「Cayenne」ではなく「WebIOPi 0.7.1」をダウンロードし、書籍のようにインストールしてください。

なお、WebIOPiをインストールするためのコマンドはやや長く、写し間違えると正しくインストールが行なわれません。下記にコピーできる形で再掲しますので、ブラウザで表示して1行ずつコピーし、ターミナルソフトウェアLXTerminalへ貼り付けて1つ1つ実行していけばトラブルが減るでしょう。コピーはブラウザ上でキーボードで「Ctrl+c」、貼り付けはLXTerminalのメニューから「編集」→「貼り付け」(またはCtrl+Shift+v)です。なお、行頭の「(1)」などの数字はコピーする必要はありませんのでご注意ください。なお、(1)のコマンドを実行する前に、p.329の指示に従ってWebIOPi-0.7.1.tar.gzをダウンロードし、ユーザーpiのホームに移動しておく必要がありますのでご注意ください。
(1) tar zxf WebIOPi-0.7.1.tar.gz
(2) cd WebIOPi-0.7.1/
(3) wget https://raw.githubusercontent.com/doublebind/raspi/master/webiopi-pi2bplus.patch
(4) patch -p1 -i webiopi-pi2bplus.patch
(5) sudo ./setup.sh
「Do you want to access WebIOPi over Internet ? [y/n]」という質問をされたときはキーボードで「n」を入力したあとEnterするのでした。

そして、引き続きp.331のコマンドを実行し、起動用ファイルを適切な位置に配置します。このコマンドもやや長いので、コピーできる形式で再掲します。
(1) wget https://raw.githubusercontent.com/neuralassembly/raspi/master/webiopi.service
(2) sudo mv webiopi.service /etc/systemd/system/
なお、上記の手順でWebIOPiをインストールしてもp.338の図B-3において「IN/OUT等が現れるはずのボタンに文字が現れず灰色のまま」という場合、まずはWebIOPiの再インストールを試してみましょう。そのためには、ターミナルを起動して下記のコマンドで過去のインストールファイルを一旦削除します。
sudo rm -rf WebIOPi-0.7.1
その後、もう一度上記のコマンドでWebIOPiをインストールします。

それでも症状が改善されない場合、原因はわかりませんが、OSであるRaspbianが壊れているという可能性もないとは言えません。余力があればOSを再インストールしてみることも検討してみると良いでしょう(私自身、OSの再インストールが必要だったことはないのですが、読者の方にはそれで改善したという方が複数名いらっしゃるようです)。

p.335:IPアドレスでのURLの指定について

本書では、ブラウザからRaspberry Piにアクセスする際に、ルーターなどからRaspberry Piに割り振られたIPアドレスを用いました。すなわち、IPアドレスが192.168.1.3の場合にブラウザから例えば下記のようにアクセスしました。
  • http://192.168.1.3:8000/bb2/01/
しかし、この方法はifconfigコマンドなどで事前にIPアドレスを調べておく必要があり、やや面倒でした。

NOOBS 1.4.2以降に含まれるRaspbian(Jessie)では、IPアドレスを用いずにRaspberry Piにアクセスできますのでその方法を紹介します。なお、この方法でRaspberry Piにアクセスできるのは下記のみです。
  • iTunesをインストールしたWindows(iTunesに含まれるBonjourというアプリケーションが必要なためです)
  • Mac OS X
  • iPhoneやiPad
Androidスマートフォンでは現時点ではこの方法ではRasbperry Piにはアクセスできないように思われます。

上記の条件が満たされれば方法は簡単で、ブラウザのアドレス欄に例えば下記のように入力すればOKです。
  • http://raspberrypi.local:8000/bb2/01/
すなわち、IPアドレス「192.168.1.3」などの代わりに「raspberrypi.local」という記法が使える、というわけです。これは、Jessie上で動作しているavahiというソフトウェアの働きによります。

なお、Jessie以前のWheezyで同じことを実現したい場合、LXTerminalを起動して下記のようにavahi-daemonをインストールする必要があります。
  • sudo apt-get update
  • sudo apt-get install avahi-daemon
インストール後に再起動すると、自動的にavahiが起動し、「raspberrypi.local」でのアクセスが可能になります。

なお、同じネットワーク内でavahiが起動したRaspberry Piが2台以上あると、同じ名前「raspberrypi」のマシンが2つ以上ある状態になり、名前の衝突が起こります。その場合、2台目以降のRaspberry Piには「raspberrypi-2.local」などの名前が自動的につけられますのでご注意ください。名前が衝突しないよう、あらかじめ「raspberrypi」というマシン名を変更しておく方法もありますが、ここでは省略します。

付録E(PDF)

PDF12:Chromiumブラウザについて

付録PDFにて、NOOBS 1.4.1 以前のRaspbian(wheezy)では、Google Chromeと同等のChromiumブラウザが利用可能だと述べました。そのインストールの際、下記のコマンドでインストールすると、メニュー等が日本語化された状態になります。
$ sudo apt-get install chromium-browser chromium-l10n
ただし、このChromiumはかなり古いため、Googleアカウントでログインしてブックマークを同期する、というChromiumの大きな特長を利用することができません。NOOBS 1.9.3以降のRaspbian(Jessie)では、デフォルトブラウザが新しいChromiumとなっていますので、こちらを利用することを検討するのが良いでしょう。